香料インクの原理
原理はマイクロカプセルに包まれた香料剤がインクに練り込まれており、インクを擦るとカプセルが破壊されて香りが広がるというもの。インク自体の色は無色透明です。今回、久保井インキ様から展示会配布用として、香料インクを使ったシール4点をご依頼いただき、製作することとなりました。デザイン的には凸版印刷(間欠式輪転)で対応できるものです。香料インクの使い方は、デザインを印刷した後、全面に香料インクを印刷するというもので、一般的なニスの使い方と同じです。データ自体の色数とは別に香料インキ分も1色と考えるので、データの色数+1色の版が必要となります。
香りを認識する為には
今回は「檜」「抹茶」「ストロベリー」「柚子」の4種類のインクを使ったシールを製作しました。まず感じたことは、インク缶を開封した段階で香りが広がるということ。これは問題ありと思い、久保井インキ様に確認したところ、香りは徐々に無くなるということでした。実際、シールが出来上がってから2〜3日で、ほぼ香りが無くなりました。あと、香りだけで種類を区別することも困難でした。実際、世の中の香りや臭いというものは、視覚と合せて効果があるのだと感じました。今回のデザインデータと久保井インキ様からの支給だったのですが、「抹茶」以外は少しデザインと香りがマッチしておらず、知らない方に香りの種類を当てることは難しい気がしました。デザインは香りとマッチさせることが必須条件と思います。
香りで広がる可能性
香りのするシールの使い方を考えた場合、ノベルティや販売用としての利用以外にも商品ラベルなどに組み込めば、意外と面白いかもしれません。現在、流通しているシールのほとんどが、視覚のみの訴求になっているので、これに嗅覚での訴求が加わることで、違った価値が生まれます。まだまだ未知数なシールなので、皆様の想像力次第で面白い使い方が見つかるかもしれません。
まとめ
香りシールの製作ポイントは視覚とマッチさせることです。香りと絵柄がを合わせることで相乗効果が生まれます。あと触れていなかった価格についてですが、「かなり高い」とだけ申し上げます。単純にインクが高いからです。
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