コストの先入観より素材の特性を活かす
シール印刷で使用される素材の中で、低価格なものの代表格として上質紙が挙げられます。しかし、アート紙・ミラーコート紙といった光沢系の素材との差額はほとんどなく、繁盛シール工房では、同額対応としています。よって白ベースの素材であれば選択肢が3つできることになります。コストの問題も大事ですが、デザインと用途に見合った素材を使うことを怠ると、後々、後悔することにもなります。シール印刷で使われる素材にはそれぞれに特性がありますので、一度、検討材料にしてください。
凸版印刷機は上質紙への4色カラーが苦手
繁盛シール工房では年間に対応する約7割の案件を凸版印刷機で対応しています。理由は、シールを製作できる印刷方法の中で、一番、効率のよい工程で作業ができ、経済的コストでシールを印刷できる為です。しかしながら苦手な組合せもあります。それが、上質紙や和紙、クラフト紙といった表面にコート処理されていないナチュラルテイストの素材に対しての4色カラー印刷です。最新の凸版印刷機(輪転式)は写真の入ったカラーデータも印刷できるようになってきましたが、それはアート紙やミラーコート紙といった表面にコート処理されたものに限定されます。凸版印刷機の特性は素材に対して版に圧力をかけ、インクを転写させることにあるのですが、輪転式の凸版印刷機は圧力をかけることが苦手。表面にコート処理されていない上質紙に対しては圧力のかけられる旧型の印刷機(平圧式)での対応となります。しかし、この平圧式はカラー印刷が大の苦手であり、結局はオフセット印刷で対応することになります。
■凸版印刷が苦手とする印刷事例
1.上質紙・クラフト紙・和紙などの表面にコート処理されていない材質へのベタ印刷
2.上質紙・クラフト紙・和紙などの表面にコート処理されていない材質への4色カラー印刷
材質へのこだわりがなければアート紙
繁盛シール工房の見積もりフォームからご依頼いただく場合、素材指定を「お任せ」にされた場合、アート紙で御見積を回答差し上げること多くなります。何故、アート紙かというと、凸版印刷機(輪転式)で印刷し易い素材だからです。単色から4色カラーまで、ある程度の再現レベルの印刷ができるので、製作側には好まれることも一因です。逆に4色カラーのデータを上質紙で指定されると、オフセット印刷で御見積するので、どうしてもコスト高な金額をご提示することになります。デザイン内容やサイズによっては、アート紙でもオフセット対応になることもありますが、「上質紙=一番安い」とういう考えで見積依頼されることはお勧めできません。
まとめ
上質紙が低価格な材質であることは事実ですが、アート紙やミラーコート紙とも同価格帯で対応しています。コスト的な思い込みより、材質の特性やデザインとの相性を踏まえて素材選定されることをお勧めします。
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