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栄養成分表示とは?食品表示ラベル作成のときに知っておくべきこと

作成者: 繁盛シール工房|2021年07月06日

食品表示法における栄養成分表示とは?

栄養成分表示とは、食品表示法で表示が義務付けられているものです。どのようなものなのか、詳しく解説します。

■2020年4月から栄養成分表示は義務化された

食品表示法が2015年4月1日に一部が改正され、栄養成分表示の記載が必須となりました。改正内容は2020年4月から完全施行されています。それ以前は栄養成分表示の記載はなくてもよいものでしたが、現在では一般加工食品には必ず栄養成分表示を記載しなければなりません。

■義務化された理由

なぜ栄養成分表示の記載が義務になったのかというと、国民の健康を守るという目的があるからです。食品からどのくらいの量の栄養素を摂取しているのかを把握できれば、栄養素の欠乏、もしくは摂り過ぎを防げるようになるでしょう。国民の健康を維持し、医療費削減につなげるためにも、栄養成分表示は必須とされています。

■対象となる食べ物

栄養成分表示を表示しなければならない食品は、容器包装に入れられた、一般消費者向けに販売される加工食品または添加物です。栄養成分表示は、容器包装部分のみやすい部分に記載します。

■義務化の対象外となる事業者

栄養成分表示は必ずしも表示しなくてはならないのではなく、対象外となるケースもあります。ブースを借りて販売する、委託販売など、商品の所有権が移転しない場合は、栄養成分表示は義務ではありません。また、消費税減税事業者も義務化の対象外となっています。しかし、自店舗以外に販売がある場合は、栄養成分表示が必要です。

■栄養成分表示を省略してもよい食品の種類

販売形態や一部事業者以外でも、以下のような場合は栄養成分表示を省略してもよいとされています。

  • 栄養成分表示が記載できる部分が30平方センチメートル以下
  • 酒類
  • 表示が必須となる栄養素(※)すべてが0となるもの
  • 社会通念上栄養素が微量なもの(香辛料、紅茶葉、コーヒー豆など)
  • 極めて短い期間で原材料が変更されるもの(日替わり弁当など)

(※)熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量

 

栄養成分表示として必ず表示しなければならない項目

栄養成分表示で必須となる熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量について解説します。

■エネルギー(熱量)

エネルギー(熱量)とは、人間が生命を維持するのに必要となるもので、単位はKcal(キロカロリー)です。エネルギーは特に激しく体を動かさなくても、日々体から消費されます。年齢や性別、活動量によって消費するエネルギーの量は変わるため、摂取すべきはエネルギーにより異なるでしょう。

体が消費するカロリーよりも、摂取するカロリーのほうが多くなると体重が増え、その逆だと体重は減少します。

■たんぱく質

たんぱく質は、肉や魚、大豆などに多く含まれている栄養素で、骨や筋肉、臓器をつくり出すときに必要です。たんぱく質は、成長期の子どもにとって不可欠ともいえる栄養素であり、子どもがいる家庭は積極的に摂り入れるようにしましょう。

■脂質

細胞膜の原料となる脂質は、ビタミンA、ビタミンDなどの脂溶性ビタミンが吸収しやすくするという機能ももっています。脂質は欠乏してはいけませんが、摂りすぎると血管のつまりや成人病の原因となるでしょう。

■炭水化物

炭水化物は米や小麦などに多く含まれるもので、エネルギーを生むもととなるものです。炭水化物1gあたり4kcalのエネルギーが生み出されます。炭水化物を摂取すると、体内でぶどう糖と食物繊維にわけられます。

■食塩相当量

栄養成分表示で表示が必須となる食塩相当量は、以前はナトリウムという表示名でも可能でした。しかし、食品表示法の改正により、食塩相当量という表示名になっています。これは、消費者が塩分量を把握しやすくするためです。塩分量に気を使うことは、高血圧などの成人病を予防するためにも重要であるため、よりわかりやすい食塩相当量に変更されました。

 

表示が推奨される栄養成分表示

食品表示法により義務付けられてはいませんが、なるべく表示したほうがよいとされている栄養素について解説します。

■飽和脂肪酸

飽和脂肪酸は肉類、乳製品などに多く含まれる栄養素です。この成分は、血中のコレステロールや中性脂肪をつくりだすものであり、摂り過ぎには十分に注意しなくてはならないでしょう。飽和脂肪酸を摂り過ぎると、動脈硬化などが引き起こされる可能性があります。摂り過ぎ防止のために、栄養成分表示で記載したほうがよいとされています。

■食物繊維

食物繊維は便秘改善のために摂取したほうがよい、とされている栄養素です。野菜、豆類、海藻などに多く含まれ、糖尿病や脂質異常の予防効果が期待されています。そのため、飽和脂肪酸と違い、欠乏しないようにするために、摂取量を把握したほうがよいとされる栄養素でしょう。

 

その他の栄養成分表示

表示が義務付けられている栄養素、推奨されている栄養素のほかに、以下のような任意で表示できる栄養素があります。

  • n-3系脂肪酸
  • n-6系脂肪酸
  • コレステロール
  • 糖質
  • 糖類
  • ミネラル類(亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ヨウ素、リン)
  • ビタミン類(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸)

 

栄養強調表示の書き方

多く含まれている栄養素、含まれていない栄養素について強調表示をしてもよいとされています。ただし、栄養強調表示にも厳密な決まりがあるため、強調したい栄養素に関する基準は、それぞれよく確認するようにしてください。どのような強調表示ができるのかについて解説します。

■補給ができる旨の表示

たんぱく質、食物繊維、亜鉛、ビタミンなど、なるべく多く摂取したほうがよい栄養素は、多く含まれていることを強調表示できます。どのような表現が可能かは、以下の表のとおりです。


高い 含む 強化された
高〇〇・〇〇豊富・〇〇たっぷり ○○含有・〇〇源・〇〇入り ○○30%アップ・〇〇2倍

 

■適切な摂取ができる旨の表示

エネルギーや脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、食塩相当量は摂り過ぎてはいけない栄養素です。これらは適切な摂取ができるということを強調表示できます。以下の表のような表現なら可能とされています。


含まない 低い 低減されたとき
無〇〇・〇〇ゼロ・ノン〇〇 低○○・〇〇ひかえめ・〇〇ライト ○○30%カット・〇〇ハーフ

■糖類を添加していない旨

糖類は、無添加もしくは不使用としている場合、「ノンシュガー」「シュガーレス」といった表記ができます。糖類のほかナトリウム(塩分)も「食塩無添加」等の表記が可能です。

 

まとめ

栄養成分表示には、食品表示法により記載しなくてはならないものがあります。書き方や表示方法などには厳格な決まりがあるため、よく確認し、間違えがないようにしてください。

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