食品ラベルには、消費者が正しい判断ができるように正しい情報を記載するという役割があります。食品表示法では、事業者よりも消費者の立場が重視されているため、消費者がわかりやすいように表示する必要があります。食品表示法に違反すると厳しい罰則もあることから、事業者は食品ラベルに課せられた役割をしっかりと果たすという意識を持つことが大切です。
2015年には食品表示法が定められました。それ以前は「どのように記載するか」だけが課せられていましたが、法律が施行されてからは「消費者の自立の支援」と「消費者の権利の尊重」が基本理念となっています。
食品表示法が施行される以前は、「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」が別々の法律で管理されていました。しかし、それぞれ目的や表示のルールなどが異なることで制度が複雑化したことから、それらを管轄する官庁が一本化し、食品表示法が生まれたのです。
食品表示法では、以下の5つが新しい食品表示基準のポイントとなっています。
食品ラベルには、義務表示と任意表示の2種類があります。ここからは、食品ラベルの義務表示で記載しなければならない内容や、義務表示と任意表示の特徴について解説します。
安全性に関する表示は、食品表示法の数ある表示項目の中でも特に重視されています。安全に消費者が食品を摂取するには、賞味・消費期限、アレルギー表示、保存方法の3つの表示が必要です。次の見出しでそれぞれを詳しく解説します。
賞味期限は品質が変わらずにおいしく食べられる期間のことで、期限が過ぎてもすぐに食べられないわけではありません。缶詰・カップ麺・スナック菓子・ペットボトルの飲料などに表示されています。消費期限は、期限が過ぎると食品の劣化が進み、食中毒のリスクが高まります。お弁当・サンドイッチなどのいたみやすい食品に表示されています。
いずれも容器や袋を空けずに、記載されているとおりに保存していた場合の安全性やおいしさを示す期限になっています。開封したら期限に関係なく早めに食べましょう。
食品のアレルギー表示については、命にかかわるために重要項目として扱われています。
表示が義務付けられている「特定原材料」は以下の7品目です。
通知で表示が奨励されている「特定原材料に準ずるもの」は以下の20品目です。
アレルギー表示に関する詳しい内容については、下記の消費者庁のWebサイトで確認してください。
保存方法については、具体的かつわかりやすい用語で表示します。下記の記載例も参考にしてください。
開封後の保存方法を変更する必要がある食材の場合は、開封前とは別にそれも表示します。なお、食品衛生法第13条第1項により、冷凍食品などの保存の方法の基準が定められたものは、その基準に従って表示することになります。
食品ラベルには、必ず記載しなければならない義務表示と、自由に記載できる任意表示があります。義務表示は先述したとおり、法律で記載が定められています。一例として、生鮮食品の中でも特に表示が厳しく定められている精米や玄米について紹介します。
【玄米及び精米(生鮮食品)の義務表示】
【生鮮食品全般の任意表示】
生鮮食品は、ほかにも農産物・畜産物・水産物があり、それぞれに表示事項が定められています。加工食品には、さらに細かく表示方法の決まりがあります。詳しい内容については、下記の消費者庁のWebサイトで確認してください。
早わかり食品表示ガイド|消費者庁
食品ラベルは商品選択に関する情報でもあります。理由を解説します。
容器包装に入った加工食品および添加物には、栄養成分も表示されています。義務付けされている表示はたんぱく質・炭水化物・脂質・ナトリウム(食塩相当量)などです。それぞれの熱量(カロリー)も表示する必要もありますので、忘れずに記載してください。
表示が推奨されている栄養成分、任意で表示されている栄養成分もあるため、詳しい内容については、下記の消費者庁のWebサイトで確認してください。
※参考:栄養成分表示|消費者庁
栄養成分だけでなく、レイアウトも定められています。たとえば、文字の大きさは8ポイント以上、栄養成分以外の項目については一括表示すること、文字や枠の色は背景色と対照的な色にするなどが挙げられます。その他、原材料と添加物は分けて表示します。
先述した生鮮食品や加工食品によってレイアウトや表示方法が異なるため、詳しい内容については、下記の消費者庁のWebサイトで確認してください。
早わかり食品表示ガイド|消費者庁
食品ラベル作成の手順は以下のとおりです。
食品ラベルを作成するにはラベルプリンターが最適です。パッケージに印字すると在庫を抱えてしまう可能性がある、日付を印字することに時間がかかるという場合は業務用ラベルプリンターが便利です。業務用のラベルプリンターはラベルがロール状で無駄なくプリントできるため、プロにまかせるのもおすすめです。
食品ラベルを作成する際には、表示内容や印字ミス、規定の改正について注意しなければなりません。以下でそれぞれの注意点を解説します。
栄養成分だけでなく、レイアウトも定められています。たとえば、文字の大きさは8ポイント以上、栄養成分以外の項目については一括表示すること、文字や枠の色は背景色と対照的な色にするなどが挙げられます。その他、原材料と添加物は分けて表示します。
農林水産省の発表によると、食品表示法の食品表示基準に係る国(消費者庁、国税庁及び農林水産省)による2020年度上半期(4~9月)の指導の件数等は51件・指示件数は2件・命令件数は0件です。違反表示は印字ミスや原材料変更などによって起きるため、十分気をつけましょう。
違反表示は罰則の対象にもなり、消費者の健康に危害を加えるリスクもあります。表示違反で商品を回収することは販売者にとっても大きな損失となるため、表示の仕方や義務表示の項目についてはしっかりと確認を行うことが大事です。
※参考:食品表示法の食品表示基準に係る指導の件数等|農林水産省
※参考:食品表示法の食品表示基準に係る指示及び命令件数|農林水産省
食品表示法の規定は、時代と共に変わり続けています。そのため、常に最新情報を仕入れるように心がけましょう。たとえば、2000年代には遺伝子組換えの表示、2017年には新たな加工食品の原料原産地表示制度が始まりました。
最新の食品表示法の内容については、下記の消費者庁のWebサイトで確認してください。
食品表示法等(法令及び一元化情報)|消費者庁
食品表示法によって食品ラベルは義務化されています。記載する内容も義務表示と任意表示がありますのでそれぞれ確認してください。また、表示違反は罰則の対象にもなるため注意が必要です。
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