リサイクルマークとは、リサイクル活動推進を目的としてつけられているマークです。リサイクルできる製品だけでなく、リサイクルを実施している店舗などにつけられるマークもあります。リサイクルマークには運用ルールがあり、国もしくは各団体によって定められています。表示義務が課せられるものは、国が運用するものだけです。
国で表示を義務化しているものとして、「リサイクル識別マーク」があります。表示義務があるものを指定表示製品と呼んでおり、必ずマークをつけなければいけません。以下では、リサイクル識別マークの種類を解説します。
飲料、酒類などの缶には、リサイクル識別マークをつける必要があります。飲料缶の識別マークは以下のとおりです。
アルミニウムで作られた飲料缶につけます。表示する製品は炭酸飲料やアルコール缶などです。アルミとスチールを分別しやすくするという目的でつけられています。
【問い合わせ先】公益社団法人 食品容器環境美化協会
スチールで作られた飲料缶につけるマークです。缶コーヒーや果実飲料などにつけるもので、アルミと同様に材質をマークとしてつけることで分別しやすくする目的があります。
【問い合わせ先】公益社団法人 食品容器環境美化協会
リサイクルに適しているPET製品に表示が義務付けられているマークです。指定表示製品に限定されており、清涼飲料・酒類などの飲料や、しゅうゆ・みりんなどの特定調味料が該当します。他のプラスチック容器と区別するためにつけます。
【問い合わせ先】PETボトルリサイクル推進協議会
先述した指定表示製品以外のペットボトルに表示が義務づけられているマークです。具体的には、食用油やオイル成分を含むドレッシング、ソース、洗剤・シャンプーといった食品以外の用途で使用するもの、その他指定表示品目に該当しないものに表示されます。こちらはプラスチック製容器包装として、市町村のルールに従って分別・排出することになります。
【問い合わせ先】PETボトルリサイクル推進協議会
紙で作られた容器・包装などにつけるマークです。段ボール、内側にアルミニウムを使用していない紙パック飲料以外の紙製容器包装につけられます。紙箱・包装紙・台紙や中仕切、紙袋などが当てはまります。
【問い合わせ先】紙製容器包装リサイクル推進協議会
ニッケル水素電池・ニカド電池・リチウムイオン電池・小型シール鉛蓄電池に表示します。回収リサイクルが義務付けられている、電池を区別するためのマークです。
【問い合わせ先】一般社団法人 電池工業会、一般社団法人JBRC
塩化ビニルで作られた建築資材につけるマークです。塩化ビニル製の建築資材と、他のプラスチック製建設資を区別する目的でつけられています。
【問い合わせ先】塩ビ工業・環境協会
国ではなく、各団体が運用しているリサイクルマークもあります。ここでは、5つのリサイクルマークを紹介します。
段ボールにつけるマークです。消費者が分別しやすくなる、分別回収の促進につなげる、異物の混入を防ぎリサイクルの品質を高めるといった効果が期待されています。
【問い合わせ先】段ボールリサイクル協議会
飲料や缶詰などの一般缶につけられるマークです。一般缶とは鉄製容器のことで、ペンキ缶や塗料缶、クッキーなどの空き缶を指します。一般缶がスチールだと分かりやすくするために表示します。
【問い合わせ先】全日本一般缶工業団体連合会
アルミニウムが使用されていない紙パック飲料、酒類用紙パックにつけられるリサイクルマークです。リサイクルできる紙パックを分別しやすくする目的でつけられています。
【問い合わせ先】飲料用紙容器リサイクル協議会
2003年10月以降に販売された家庭用パソコンにつけられているマークで、メーカーのパソコン回収・リサイクルサービスで利用します。PCリサイクルマークがあるパソコンは廃棄する際に費用がかからず、無料で回収・リサイクル可能です。
【問い合わせ先】一般社団法人 パソコン3R推進協会
二輪車リサイクルシステムの対象車両であることを表すためのマークです。このマークがついている二輪車は、廃棄の際に費用がかからず、メーカーなどが無料で回収・リサイクルを行います。
【問い合わせ先】公益財団法人 自動車リサイクル促進センター
リサイクルできる製品だけでなく、店舗に表示するマークもあります。ここでは、リサイクル実施店舗に表示するマークの一例を紹介します。
使用済みの携帯電話やPHSの端末・電池や充電器を回収できる店舗につけられているマークです。携帯電話などの端末には、金・銀・パラジウム・コバルトなどの希少金属が含まれており、有効活用するためにリサイクルが推進されています。
二輪車リサイクルシステムに対応している店舗を表すためのマークです。このマークがある店舗では、廃棄する二輪車を回収しリサイクルできます。前述した二輪車リサイクルマークのないものも無料で引き取ってくれます。
ここでは、各団体が運用している再生品に表示するマークの一例を紹介します。
古紙が混ぜられた製品につけられるマークです。マークの右側の数字は、含まれている古紙パルプの量によって変動します。表示される製品としては、トイレットペーパーやノート、メモ帳などです。再生紙使用マークは、「3R活動推進フォーラム」によって運営されています。
使用済みのペットボトルをリサイクルしたことを表すマークです。再生資材を25%以上使っている場合に、表示が可能となります。このマークを表示するには、運営団体である「PETボトルリサイクル推進協議会」の承認が必要です。
リサイクル識別マークを表示する際には、ルールがあります。ここでは、どのようなルールがあるのか解説します。
リサイクル識別マークは、表面に1か所以上表示する必要があります。外からしっかりと見える場所に表示する義務があり、ふたの内側やパッケージの中など、見えない場所への表示は不可です。また、カップ麺の容器のように、外装フィルム・ふた・カップ本体などの多重包装になっているものは、資材ごとに表示しなければいけません。
リサイクル識別マークのデザインは、資源有効利用促進法によって定められています。原則としては、法律によって定められているデザインを使用するとなっていますが、ルール内であれば多少の変更は可能です。
はっきりと認識でき同一性を損なわない程度の変更は可能で、サイズは印刷・ラベルやシールの貼付で6mm以上、刻印やエンボス加工の表示で8mm以上と決められています。
無地の製品の場合、リサイクル識別マークの表示義務はありません。無地とは、印刷やラベル、刻印・シールなどが何もないものを指します。例えば、全体にベタ塗り印刷をしていて印刷やシールなどのない袋、真っ白で店名などの印刷のないレジ袋などは無地とみなされるため、リサイクル識別マークの表示は不要となります。
リサイクル識別マークを表示できるスペースのない製品も、表示は不要となります。例えば、つまようじの袋のような小さなもの、みかんの包装ネットなどのように表示が難しいものなどは、リサイクルマークを表示する必要はありません。
リサイクル識別マークの表示義務は、どのように判断されるのでしょうか。ここでは、判断基準と表示しなかった場合の措置について解説します。
表示義務のある容器包装は以下のとおりです。
リサイクル識別マークの表示義務がある事業者は、下記の3事業者となっています。
※参考:3.識別表示義務|経済産業省
リサイクルマークを表示しなかった場合には、法律に基づいて勧告・公表・命令・罰則が適用されます。ただし、小規模事業者の場合には、表示しなかった場合でも罰則などは適用されません。罰則はないとはいえ表示は義務付けられていますから、しっかり表示しましょう。
リサイクルマークとは、リサイクル活動を推進する目的でつけられるマークです。国が運用しているものと、各団体が運用しているものに分けられ、国が運用するリサイクル識別マークについては表示義務があります。
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