なぜシールをきれいに剥がせないのか
なぜシールは上手に剥がせないのでしょうか。ここでは、シールが剥がれない原因について解説します。
■シールの粘着剤は落としにくい
シールは、ものにぴったりと貼り付けられるようにできており、粘着剤がものに貼り付く役目を果たします。粘着剤があるからこそ、シールをぴったりと貼り付けられるのですが、その分落としにくく、べたべたする性質ももっています。水でも流れにくいため、シールを水につけてもなかなか剥がれないかもしれません。
■時間が経過するとさらに剥がしにくくなる
シールの粘着剤は時間が経つと、紫外線の影響でさらにベトベトになるため、より落としにくくなります。長時間貼りっぱなしにしていれば、その分ベトベト感が増し、シールはさらに剝がれにくくなるでしょう。印刷部分は剥がれても、粘着部分だけべったりと残ってしまうこともよくあります。
シールをきれいに剥がす方法
シールを上手に落とす方法はさまざまです。ここでは、きれいにシールを剥がすための7つの方法を解説します。
■粘着剤が残らないようにゆっくりと剥がす
シールの種類によっては、比較的簡単に剥がれるものもあります。シールの端をめくってみて、そのまま取れそうかどうか確認してみましょう。この際に注意する点は、急いで剥がさないということです。
一気に剥がすと上の印刷部分だけが剥がれて、粘着剤が残ってしまいます。そのため、シールを剥がす際には慎重にゆっくり行いましょう。
■シール剥がし剤を使用する
市販のシール剥がし剤を使用するのもよいでしょう。専用の薬剤を使ったもので、シールの粘着剤を溶かす成分がはいっています。そのため、粘着力が強めのシールでもするっと落とせるでしょう。
使用方法は、シールに剥がし剤を吹きかけて、しばらく待ってから剥がすだけです。大きなシールやコーティングのあるシールは、カッターなどでシールにキズをつけると粘着部分に浸透しやすくなります。粘着剤が剥がしきれなかった場合、再度シール剥がし剤を吹きかけて拭き取ります。
■ドライヤーで温める
粘着剤は高温に弱いという特性があります。そのため、温めれば粘着力が弱まって、シールを剥がしやすくなります。薬剤を使いたくなかったり、水で濡らせなかったりする素材に貼られたシールや、樹脂・ビニールなどで覆われたシールを剥がす際にもおすすめです。
ドライヤーの温かい風をシールに数十秒あてて、慎重に剥がします。冷めると粘着剤が硬くなるため、ドライヤーで温めたらすぐに剥がしましょう。
■水で濡らす
前述したように、粘着剤自体は水で流れません。しかし、水で濡らしてふやかせば、粘着剤の粘着力は弱まります。直接水につけられるものなら、水の中に入れて10~20分ほど置いておきましょう。霧吹きなどで水を吹きかけて、乾燥防止にラップをかけて放置するのもよい方法です。
ただし、ラミネート加工や樹脂・ビニールコーディングされているシールなどは、水が粘着剤まで届かないため、効果はあまり期待できません。
■台所用洗剤でつけおきする
台所用洗剤には、界面活性剤が含まれています。界面活性剤は粘着剤の粘着力を弱めるという効果があります。
台所用洗剤をシールに塗って、乾燥しないようにラップでふたをして10分程度置いておきましょう。しばらく置いたら洗剤を拭き取ります。しっかりと水拭きして、洗剤が残らないようにしましょう。洗剤が残ると変色のリスクがあるため、注意が必要です。
■除光液をつける
除光液もシール剥がしには効果があるといわれています。除光液は有機溶剤でできており、シール剥がし剤と同じく粘着剤を溶かす性質があります。そのため、頑固なシールも剥がせるかもしれません。
シールに除光液を振りかけて、10分程度置いてから慎重に剥がしましょう。ただし、樹脂製の食器やおもちゃ、木製家具などには、除光液は塗れません。色落ちや変色の原因となります。除光液は臭いがきついため、換気しながら使用してください。
■ヘラを使用する
シールを剥がす際、指を使って剥がす人も多いでしょう。しかし、指だとシールの表面だけをつまんでしまって、シールの表面部分だけしか剥がれないこともよくあります。しっかりと粘着剤からシールすべてを剥がすには、ヘラを使うとよいでしょう。
ヘラだとシールの表面だけでなく、粘着剤もこそげ落とすように剥がせます。ただし、素材によってはヘラで傷つく場合もあります。ヘラを使う際は、材質などを確認し傷つけないように注意しましょう。
シールの粘着剤をこすり落とす方法
シールを剥がしたものの、粘着剤だけ残ることもあるでしょう。その場合は、前述したような方法できれいにしましょう。シール剥がし剤や除光液、台所用洗剤などで粘着剤を拭う、ヘラでこそげ落とすなどすれば、粘着剤はきれいに落ちるはずです。
しかし、前述した方法だけではなく、粘着剤をこすり落とす方法もあります。以下では、メラミンスポンジや消しゴム、セロハンテープなどでこすり落とす方法を紹介します。
■メラニンスポンジでこすり落とす
粘着剤だけ残ってしまった場合、メラミンスポンジを用いてこすり落としてみましょう。メラミンスポンジはガラスやプラスチック、陶器、木材など、さまざまな材質に使用可能です。
メラミンスポンジでこすり落とす場合には、水でメラミンスポンジを濡らして粘着剤のついた部分をこすります。この際、力を入れすぎるとシールを貼り付けていたものに傷がつくかもしれません。あまり力を入れず、軽くこするようにしましょう。
■消しゴムでこする
粘着剤の貼り付いた部分を、消しゴムで文字を消すようなイメージでごしごしとこすります。水に濡らしたくない場所や液体を使えない部分にも使用可能です。
粘着剤と一緒に消しゴムのカスが出て、ベタベタがきれいになります。ただし、消しゴムは摩擦力が強いため、強くこすりすぎるとシールを貼っていた場所が傷んだり、塗装が剥げたりする可能性があるため、注意しましょう。
■セロハンテープやガムテープで取り除く
セロハンテープやガムテープなどは、シールよりも粘着剤が強いものが多く、残った粘着剤にペタペタと貼り付けて落とすという方法もあります。
ただし、セロハンテープなどよりもシールの粘着剤が強いと、テープに粘着剤はついてきません。粘着剤をセロハンテープなどで軽く剥がしてから、メラミンスポンジや消しゴムなどでこすり落とすというように、併用してもよいでしょう。
シールを剥がすときの注意点
シールを剥がす際には、注意したいポイントがあります。ここでは、4つの注意点について解説します。
■よくとれるシール剥がしはダメージも大きい
台所用洗剤や除光液、シール剥がし剤などは粘着剤を溶かしますが、その分シールを貼っていた場所に対するダメージは大きいかもしれません。シールを貼っていた場所にもよりますが、色落ちやキズの原因にもなり得ます。シール剥がし剤などを使う前に、目立たない部分にテストしてみてください。
■換気はしっかりと行う
シール剥がし剤や除光液などを使う際には、必ず換気を行いましょう。臭いがきついだけでなく、めまいや頭痛を引き起こす可能性があります。薬剤タイプのシール剥がしを使用するときは、窓を開けて部屋全体の換気をしながら作業しましょう。また、スプレータイプのシール剥がし剤を使用するときは、マスクを装着し吸い込まないようにしてください。
■必ずしもきれいに落とせるとは限らない
この記事で紹介したような方法でも、すべてのシールがきれいに落とせるとは限りません。例えば、改ざん防止シール、粘着力が強く剥がれないシールなどは、きれいに落とすのは難しいでしょう。無理やり剥がすと、シールを貼っていた部分が傷む可能性もあるため、無理せず業者に依頼する方法も検討してみてください。
■酢・ハンドクリーム・歯磨き粉は効果が薄い
シール剥がしの定番のアイテムとして挙げられる、「酢」「ハンドクリーム」「歯磨き粉」ですが、これらはあまり効果が期待できません。粘着剤が残って剥がしにくいといわれているため、使用しないほうがよいでしょう。シールを落とせないだけではなく、酢は臭いが、ハンドクリームはぬるぬるが残る場合もあります。
まとめ
シールは粘着剤が用いられており、きれいに剥がすのが難しいでしょう。きれいに落としたい場合は、シール剥がし剤や台所用洗剤を使ったり、ドライヤーで温めたりと、この記事で紹介した7つの方法を試してみてください。
本来であれば、シールの製作段階で剥がされる可能性がある場合、被着体から剥がす際に糊残りのしにくい粘着剤を使用したいところです。
繁盛シール工房ではご使用用途に合わせて粘着剤のご提案もさせていただきます。
例えばお子様にわたるようなノベルティーシールの場合、のちに困るのは親御様のはずです。
困りながらはがされるシールへのイメージを考えると剥離しやすい粘着剤でのご使用をおすすめいたします。
【綺麗に剥がしたいシールやステッカーに最適】
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【再剥離シールとは?シールを綺麗に剥がせる粘着剤の種類と特性を解説】
https://www.seal-koubou.com/lab/detail/39
繁盛シール工房では、シールの製造歴30年以上のベテラン印刷工をはじめ、長年の経験で培われた知識と技術を提供しています。作りたいシールを完全オーダーメイドで作成でき、専任アテンドがシール作りのサポートを行っています。オリジナルのシールを作りたいのであれば、ぜひ相談してみてください。