ホログラム加工を施した印刷物の特徴
ホログラム加工を施すと、通常の印刷物とは外観を大きく変えられます。ホログラム加工をした印刷物の特徴について紹介します。
■見た目
ホログラム加工をされた印刷物は、光を反射し虹色にきらめきます。ホログラムの色やパターンはさまざまであるため、印刷する対象にあわせて選びましょう。なお日常では、お札やトレーディングカード、色紙、ステッカー、POPなどにホログラム加工が利用されています。
■きらめく仕組み
ホログラム加工の表面は、微細な凹凸状態です。凹凸にあたった部屋のライトや日光は、バラバラな方向に反射します。そして反射光が互いに干渉しあった結果、虹のようなきらめきが表現される仕組みです。詳しいホログラム加工については、以下で詳しく紹介します。
ホログラム印刷・加工のやり方① ホログラム箔押し
ホログラム箔押しとは、熱転写の仕組みを利用した加工法です。用意するものはシール素材、ホログラム素材、加えて熱転写するデザインが施された箔版です。シール素材にホログラム素材をあわせ高温に熱した箔版を押し当てると、デザインの部分のみをシール素材に転写することが可能です。
ホログラム箔押しは透過性が低く、本物の金属のようにくっきりと輝きます。特に金箔・銀箔のホログラム素材は豪華で、絵本の表紙やステッカー、商品ロゴシールなどに使われます。
ホログラム印刷・加工のやり方② ホロラミ加工(ホログラムPP加工)
ホロラミ加工は、ロール状態または枚葉状態のシール素材に、ホログラムPP素材を圧着して貼り合わせます。なおPPとはポリプロピレンフィルムを指し、ホロラミ加工では、紙素材をPPでラミネートする技術を応用しています。
ホロラミ加工に向いている用途は、トレーディングカードのようなデザイン性が高いものです。シール素材のデザインが透けて見えるため、ホログラムとの掛けあわせにより意匠性にすぐれた表現が可能です。ホログラムPP素材のデザインはバリエーション豊かなため、シール素材のデザインや、商品の用途に応じて選びましょう。
ホログラム印刷・加工のメリット
ホログラム加工を行うと、デザイン性とセキュリティ性に関してメリットが得られます。
■表現豊かな印刷が可能になる
ホログラムを使うとほかの印刷物との差別化ができ、注目されやすくなります。ホログラムの輝き方はさまざまで、かわいい印象をもたせることも、高級感をかもし出すことも可能です。
たとえばカタログやパンフレットには、上質な雰囲気を楽しんでもらうためにホログラムが用いられるケースがあります。また近年では、ホログラムを取り入れたアート作品も登場しています。
■セキュリティ性を付与できる
ホログラムの表面に微細加工を施すには、高度な技術と特別な装置が必要です。真似をすることは非常に難しいため、セキュリティ性が求められる業界において、ホログラムは大いに活躍します。たとえば金券や身分証明書などの多くには、偽造防止のためにホログラム加工がなされています。
ホログラム印刷・加工の課題
デザイン性とセキュリティ性を付与できるホログラム加工ですが、貼り合わせの精度やカラーバリエーションについては改善の余地があります。
■貼り合わせの精度
大面積のホロラミ加工を行う際は、シール素材にホログラムPPを並べて貼り合わせます。しかしホログラムPPを隙間なく、ズレなく並べることは難しいため、加工後にいびつな見た目になってしまう場合もあります。大面積のホログラム加工を行う際は、加工後のイメージについてメーカーとよく相談しましょう。
■カラーバリエーション
一見カラフルにも見えるホログラムですが、流通量の多いホログラムは、光の反射を利用し虹色に見せるタイプにすぎません。フルカラーのホログラム加工ができるメーカーは限られるため、求めるデザインによりメーカーを選びましょう。
2つのホログラム印刷・加工
2つのホログラムについて紹介します。それぞれデザインが異なるため、用途により使いわけてください。
■パターンホログラム
パターンホログラムとは、既存の柄の入ったホログラムPPを指します。既存の柄といってもデザインの種類は豊富で、メーカーによりラインアップは異なります。
■オリジナルホログラム
より意匠性を求めるならば、自分でホログラムデザインを作るオリジナルホログラムが向いています。キャラクターや企業のロゴなど、オーダーメイドのホログラム加工品が手に入ります。
ホログラム印刷・加工の用途
ホログラム加工を利用した印刷物の用途を詳しく紹介します。それぞれの商品で、ホログラムの役割が異なる点に注目しましょう。
■ホログラムシール・ステッカー
ホログラムシール・ステッカーは、トレーディングカードのような嗜好品として楽しまれるほか、偽造防止にも使われます。簡単に偽造されないホログラムを作るには、オリジナリティがポイントです。企業のロゴやメッセージなどを使い、特別な装飾を工夫しましょう。
なおホログラムシール・ステッカーは、ギフトカード・会員証やIDカード・商品パッケージ・各種証紙シール・クーポンなどに貼りつけて使われます。
■絵本など書籍
絵本などの書籍では、表紙と本文にホログラムが使われるケースがあります。キャラクターやデザインをオリジナルホログラムで浮き立たせたり、絵本にあう雰囲気をホログラムで表現したりできます。また、見る角度により異なるイメージが浮き出るような、楽しい演出も可能です。
■パッケージ
人目をひくホログラムをパッケージに利用すると、広告効果が高まります。インパクトのあるホログラムを使ったデザインで企業らしさを表現しましょう。企業やブランドイメージにあう表現を考え、工夫してください。また特徴的なホログラムは真似をしにくいため、ライバルの商品との差別化にもつながります。
■商品券
金券や商品券にホログラム印刷を施すと、コピー防止対策になります。またセキュリティ性を高めるならば、装飾用のホログラムではなく、セキュリティホログラムを活用しましょう。セキュリティホログラムは入手が困難なため、より偽造が難しくなります。
ホログラム印刷・加工をする際の注意点
ホログラム加工を取り入れて印刷する際は、納期やコスト、使用する素材などに注意しましょう。
■納期と費用への影響
ホログラム加工を行うと、通常印刷よりも納期が延び、費用がかさみがちです。たとえば箔押し加工の場合は箔版を作る手間がかかるため、通常納期よりも3日ほど日数が必要です。またホロラミ加工も、シール素材への印刷後にホロラミを貼り合わせる工程が増えます。そのため納期は通常と比べ、1日ほど延びます。
■ホログラム加工に向かない素材
ホログラム箔押しをする場合に、表面に凹凸がある素材はおすすめできません。シール素材とホログラム素材が密着せず、パターンが転写されない可能性があるためです。また面積の大きな素材も、ホログラムには不向きです。ホログラム素材の下に気泡が入る場合があるため、実現可能なサイズかどうかを事前にメーカーに相談しましょう。
まとめ
ホログラム加工を施すと、デザイン性とセキュリティ性を付与できます。身近なところでは、ホログラム加工はシールやステッカー・絵本などの書籍・パッケージ・商品券などに使われるため注目してみましょう。なおホログラム加工を利用して印刷を行う際は、納期や費用、素材の種類や大きさに気をつけてください。
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