シール印刷ラボ

シールの種類を決めるには|特徴・コスト・外観などから種類を解説

シールの種類
様々なシールをタイプ別に解説

周囲を見渡すと、ラベルシールやロゴステッカーなどさまざまなシールが見つかります。ここではシールの素材について調査中の方に向け、シールの特徴やコスト、外観などの観点からシールの種類を紹介します。ビジネス用のシールを作る際の参考にしてください。

※記事内容は当工房の担当者が感じた主観的な意見です。他印刷会社とは意見に相違がある場合もあります。予めご承知ください。

2021年07月31日

シールの構造

シールは台紙、粘着剤、素材、表面加工層の4層で構成されています。台紙はシール素材を固定するもので、台紙と素材は粘着剤で簡易的に接着されています。

素材とは、いわばシールの本体です。どのような素材を選ぶかにより、シールのデザインや機能性が決まります。また表面加工層は、素材を保護する目的で付与されています。ビジネス用途でシールを作る際は、各層の加工法や素材の情報をもとに詳細を検討しましょう。

 

光沢に関するシールの種類

素材そのものの光沢をシールに生かせます。光沢に関するシールの種類を解説します。

■アート紙を使ったシール

アート紙は、上質紙に表面加工が施された比較的安価な素材です。さわるとツルツルしており、控えめな光沢が特徴です。単色印刷はもちろんカラー印刷や写真印刷まで可能で、チラシやポスターなどに使われます。

上質紙についてはのちほど詳しく解説します。

■ミラーコート紙を使ったシール

ミラーコート紙は、アート紙よりもツヤ感が目立つ素材です。鮮明な表現が可能なため、意匠性を求めるならばアート紙よりもミラーコート紙を選びましょう。たとえばロゴステッカー、ポストカード、商品ラベル、写真集、カタログの表紙などにはミラーコート紙が使われます。

■ホイル紙を使ったシール

ホイル紙は、紙をベースにアルミ箔を貼り合わせた素材です。メタリックなツヤが特徴でPOPや告知シールなどに使われます。なお印刷後にもメタリックさは残るため、用途は限られます。

 

水濡れに強いシールの種類

水周りや屋外で使用するシールには、耐水性が求められます。水濡れに強いシールについて紹介します。

■フィルム素材のシール

PETはポリエステルの一種で、ペットボトルや食品容器などに使われる素材です。屋内の水周りで使われるシールによく利用されます。なお耐熱性を高めたPETをテトロンと呼び、電子部品や精密機械によく使われます。

屋外用途のシールに向く素材は、塩ビです。塩ビはPETよりも耐候性にすぐれ、重厚感のあるフィルムです。バイクや自動車用のシールには塩ビがよく用いられます。

■ユポ素材のシール

合成素材のユポは、プラスチックフィルムさながらの柔軟性と耐久性が特徴です。他のフィルム素材よりも割安であるため、コストを抑えてシールを作りたい場合はユポを検討しましょう。なお用途としては、屋外で使用するポスターやシャンプーボトルなどのラベル、園芸用ラベルなどが挙げられます。

 

コストパフォーマンスでみるシールの種類

一般的に、紙素材はフィルム素材よりも割安な傾向です。耐久性を求めないシールであれば、紙素材を検討しましょう。なかでもコストパフォーマンスにすぐれる素材は上質紙です。

上質紙は普通紙とも呼ばれ、表面加工がないためザラザラした手ざわりが特徴です。単色印刷に適しており、コピー紙やチラシなどに使われます。シールとしては業務用ラベルに使われるほか、筆記性があるため訂正用シールとしても活用できます。

なお上質紙は、カラー印刷や写真印刷も可能ですが、表面非コートなので発色はよくありません。人によっては風合いを感じられることもありますが、意匠性を求める商業印刷には、別の素材も検討しましょう。

■コスト重視なら印刷方法も検討を

コストを抑えるならば、素材にこだわる以外に印刷方法も検討しましょう。印刷方法については、のちほど詳しく解説します。

 

粘着力でみるシールの種類

シールの用途により、粘着力の強弱を使いわけましょう。粘着力別にシールの種類を紹介します。

■粘着力が弱いシール

粘着力を弱めるには「再剥離」「微粘着」「弱粘着」などと表記されたのりを用います。粘着力が弱ければ再剥離可能で、下地への「のり残り」や損傷を避けることが可能です。なお粘着力が弱いのりは、付箋紙やイベント・キャンペーン用の販促シールなどに用いられます。

■粘着力が強いシール

粘着力を強めるには「剥がれにくい」や「強粘着」と表記されたのりを用います。粘着力が強ければ、屋外の雨風に耐える剝がれにくいシールを作れます。また曲面や凹凸の目立つ面に貼り付ける際には、シールの浮き上がり防止が可能です。屋外看板、バイクや車用のシールを作る際は、粘着力の強さを重視しましょう。

 

特別な目的や見た目をしたシールの種類

意匠性が高いシールや特別な用途に使われるシールについて、素材の特徴を紹介します。

■和紙を使ったシール

和紙を使ったシールは、高級感や和のテイストが持ち味です。金色、銀色を含め色のバリエーションが豊富で、繊維がからまった模様が味わい深い印象です。用途としては、和菓子のラベル、贈答品、冠婚葬祭などに用いられます。

■クラフト紙を使ったシール

クラフト紙を使ったシールはレトロさや素朴さを感じさせます。色味は茶封筒のような明るいもの、ガムテープのような濃いものの2種類で、雑貨店のタグシール、オーガニック商品のラベルなどに用いられます。

■訂正用シール

訂正紙を使ったシールは、誤字脱字・誤植の訂正や、店舗情報や価格の変更などに用いられます。多くの訂正紙を使ったシールにはグレーののりが使われており、修正前の情報が透けないよう配慮されています。

訂正用シールには上質紙やアート紙がよく使用されますが、用途に応じ選びましょう。特に、訂正後に上書きする予定があれば、筆記性のある上質紙が向いています。

 

完成品の状態別にみるシールの種類

シールの納品形態は、おもに4種類に分類されます。シールを使用する状況をイメージし、納品形態を考えましょう。

■ロール仕上がり

複数のシールが、ロール状の台紙に連なった状態で納品されます。台紙へのシールの貼り方を指定できるため、シールの使用状態に応じて詳細を指定しましょう。たとえばロールの内側・外側どちらにシールを貼るか、ロールの巻き方向に対するシールの上下左右はどうかなどを決められます。ラベラー用のシールには、ロール仕上がりが向いています。

■1枚の台紙に複数のシールの状態でカット

1枚の台紙に同じデザインのシールが多数並び、商品の成分表示やラベルなどに向いた納品形態です。同じデザインを大量発注するためコストを抑えられます。また台紙からシールをはがしやすいため、納品後に手作業でシールを貼っていく際に便利です。

■シール1枚ごとにカット

台紙1つにつき、1枚ずつシールが割り当てられた状態で納品されます。1枚にカットする加工賃がプラスされるため、複数のシールを台紙に貼りつけた納品形態よりも割高な傾向です。1枚ずつ個人に配布される前提で作られることが多く、ノベルティグッズや、展示会やオープンキャンパスなどの入場証がわりに使われます。

■シールの形に沿ってカット

シールの形に沿って台紙ごと切り取られており、ロゴステッカー、デザインステッカーによくある納品形態です。抜型で台紙ごとシールがくり抜かれ、台紙がはみ出ていないため見栄えよく見えます。なお加工賃とは別に抜型を作る料金も上乗せされるため、コストは割高です。

 

印刷方法別にみるシールの種類

印刷方法別に、シールの種類を紹介します。印刷の仕上がりやコストに応じ、印刷方法を選びましょう。

■凸版印刷

凸版印刷は「版」を使う印刷方法の一つです。印刷のデザインに応じ凹凸加工を施した版胴を作り、インクを版胴に塗ったのちに、版胴を印刷する素材に押し当て印刷します。凸版印刷は、多色印刷には向きません。一度に多色のインクを塗工できず、版胴を複数作るにはコストも手間もかかるためです。

凸版印刷はコストパフォーマンスが良好ですが、多色印刷や大量印刷の際にはオフセット印刷が選ばれます。

■オフセット印刷

オフセット印刷も版を使いますが、版と印刷物の間にブランケットという柔らかなローラーを挟み込みます。またブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクを使い、4つの版を使って順番に印刷します。

オフセット印刷は、版と印刷する素材が直接接触しないため、色再現性にすぐれる緻密な表現が可能です。また大量印刷するほど割安です。

■シルクスクリーン印刷

シルクスクリーン印刷は、網目状になった「スクリーン」を使う印刷方法です。まずインクを載せたくない部分の網目を埋めたスクリーンを、素材の上に乗せます。続いてインクをスクリーンの上に乗せ、ヘラのようなもので上からインクを押し、素材にインクを載せます。

シルクスクリーン印刷の特徴は、インク層の分厚さです。多少の刺激では印刷が薄れないため、屋外用の耐候性を求められるシールに適しています。

 

御見積のご依頼についてまとめ

身近にあふれるシールは、素材の種類、コスト、外観などが多種多様です。納品形態や印刷方法も検討し、コストを抑えつつ目的にあったシールを作りましょう。

「繁盛シール工房」は、2004年のオープン以来、納品実績数は1万件を越えます。また当社の調査ではありますが、製作実績の掲載数も日本一です。「ひとつ、ひとつ。シールづくりに、思いを込めて」をモットーに、お作りになりたいシールを完全オーダーメイドで丁寧に作成いたします。

専任アテンドやシールの製造歴30年以上のベテラン印刷工をはじめ、長年の経験で培われた知識と技術を提供し、皆様のシール作りを成功へ導きます。

シール工房については、無料お見積りをご利用ください。

この記事で解説したシールの用途・素材・加工方法

内容表示シール印刷(品質表示)

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食品の成分・賞味期限表示や、各種製品の材質・品質表示など非常に多用途に利用されるシールです。他にも、品名や説明文のみを表示する簡単なものから、ロゴマークやシンボルマークを盛り込んでの印刷も可能です。

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