警告ラベルとは、製品の使用上の注意点を表示するためのものです。実際の使用シーンを想定し、起こる可能性のある障害について注意喚起したり、取り扱いを誤ると危険な部分について示したりします。製品の危険性に関するメッセージを伝え、安全に使用できるようにするのが警告ラベルの主な目的です。
製品の安全性に関しては、製造物責任法で定められています。製造物責任法は、いわゆるPL法のことです。
製造物責任法第3条では、製品に欠陥があった場合のメーカー側の賠償責任について欠陥責任(無過失責任)を定めています。これは、製品に欠陥があった場合は、過失の有無に関わらずメーカーの責任が追求されるという意味です。
具体的には、設計上の欠陥、製造上の欠陥、指示・警告上の欠陥のいずれかが発生していると、メーカーに責任があると判断されます。問題が起きればメーカーに対して損害賠償が請求される恐れもあるため、製品の安全性にしっかり配慮しなければなりません。
製造物の欠陥により問題が生じた場合、訴訟で責任が追求されるのは指示・警告上の欠陥である場合がほとんどです。指示・警告上の欠陥とは、製品について危険があるにも関わらず、その情報を使用者に対してきちんと伝えなかった場合が該当します。
メーカーは製品を安全に設計する必要がありますが、製品の性質上どうしても発生する危険もあります。その点については、取扱説明書や警告ラベルなどで表示しなければなりません。製品に取扱説明書や警告ラベルなど添付していても、危険性について正確に示していなければ、メーカーの責任が問われる可能性があります。
警告ラベルに関するルールは国ごとに定められていいます。そのため、国によって警告ラベルの規格はさまざまです。
警告ラベルの規格の種類を分類すると、ANSI Z535とISO 3864の2つに大別できます。ANSI Z535とは、米国国家規格協会(American National Standards Institute)が警告ラベルや安全標識についてまとめた規格です。一方、ISO 3864は、国際標準化機構(International Organization for Standardization)が制定した規格です。
日本では独自の国家標準としてJIS規格も定められています。基本的に、JIS規格の基準は、国際規格と整合性がとれるように定められています。
警告ラベルにはさまざまな要素を含める必要があります。含めるべき要素について、具体的に解説します。
シグナルワードとは、製品の危険度を表すための単語です。ひと目で製品の危険性がわかるようにし、製品を使用する人へ注意を促す効果があります。具体的なシグナルワードの種類については後述するため、そちらも参考にしてください。
絵文字(ピクトグラフと標識)は、警告ラベルで伝えたい製品の危険性について図式化した記号です。シンプルな絵で危険性を示し、シグナルワードや文字メッセージを読まなくても危険性がすぐに伝わるようにしています。
文字メッセージは、製品の危険性について詳細を説明するための部分です。危険の種類を具体的に説明し、その危険を回避するための手段を伝えます。また、危険を回避しない場合に発生する恐れのある結果についても表示します。
警告ラベルには、製品の危険性に応じたシグナルワードを表示します。ここでは、具体的なシグナルワードの種類について解説します。
DANGER(危険)は、シグナルワードのなかでも最も高い危険度を表しています。製品を正しく使用しなければ、使用者が死亡したり重傷に至ったりする危険性が高い場合に表示するシグナルワードです。
WARNING(警告)は、DANGER(危険)の次に危険度が高い場合に表示します。製品の使い方によっては、使用者が死亡または重傷を負うリスクがあることを示しています。
CAUTION(注意)は、使用者に軽傷を与える恐れがある製品に対して表示されます。警告ラベルの規格のうちISO 3864では、最も危険度が低い場合にCAUTION(注意)を使用します。
NOTICE(注記)は、ANSI Z535のみで使用されているシグナルワードです。製品により使用者が負傷するリスクはないものの、製品を正しく使用しないと設備や機器などに不具合や損害を生じさせる可能性がある場合に表示します。
警告ラベルを表示するときは、さまざまなポイントを押さえる必要があります。警告ラベルの表示方法について、具体的に解説します。
シグナルワードは、警告ラベルを表示する製品の特徴を考慮したうえで適切なものを選定します。ISO 3864なら「DANGER(危険)」「WARNING(警告)」「CAUTION(注意)」の3種類、ANSI Z535なら「NOTICE(注記)」を加えた4種類のなかからシグナルワードを選びましょう。なお、「NOTICE(注記)」以外には、危険を表すマークを左横につけて表示します。
また、リスクの大きさについては、「R-Map」で表現する方法もあります。縦軸を危険の発生頻度、横軸を危害の程度としているため、リスクの大きさを視覚的にわかりやすく表現可能です。
絵文字(ピクトグラフと標識)は、製品の危険性をわかりやすく伝えられるように表示します。テキストのほかに絵を表示するのは、警告ラベルの視認性を高めるためです。テキストを読もうとしなくても、絵文字が目に入れば瞬時に危険性を伝えやすくなります。
絵文字(ピクトグラフと標識)で危険性をわかりやすく表示できれば、海外へ製品を輸出しても言語に左右されずにきちんと製品の危険性を伝えられます。
ただし、伝えたい内容が複雑であり、絵文字(ピクトグラフと標識)だけでは正確に危険性を伝えられないときは、テキストのメッセージで補足が必要です。製品を輸出する場合は、メッセージをその国の公用語に翻訳しましょう。
文字メッセージでは、警告ラベルで示している内容を無視して使用した場合にどのようなリスクが発生したのか記載します。また、リスクの回避方法とともに、万が一危険が生じた場合の応急処置についても示しましょう。
警告メッセージは、製品の対象年齢にあわせてわかりやすく表示する必要があります。また、なるべく簡潔に記載し、すぐに理解できるように配慮しなければなりません。たとえば、1つの文で伝えるメッセージは1つだけにしたり、重要度の高い指示のみに絞り込んで説明したりすると効果的です。
長文で説明しなければならない場合は、警告ラベルだけでなくほかの方法でリスクを伝えるのもひとつの方法です。安全指示書や各種マニュアルなどを作成し、リスクや危険の回避方法が正確に伝わるようにしてください。
メーカーには製品の安全性に関する責任があります。製品に危険がある場合は、警告ラベルでその内容をきちんと示すことが大切です。警告ラベルの表示方法にはさまざまなポイントがあるため、今回解説した内容を抑えて適切な警告ラベルを作成しましょう。
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