ポジティブリスト制度とは?
従来、食品業界では「ネガティブリスト制度」が採用されていましたが、
この方式ではリストに載っていない新たな化学物質や素材の規制が難しく、食の安全確保に限界がありました。
これを改善するために導入されたのが「ポジティブリスト制度」です。
ポジティブリスト制度は、平成30年(2018年)6月13日に公布された食品衛生法の一部改正により導入が決まり、
令和2年(2020年)6月1日から施行されています。
・ポジティブリスト制度は、原則すべてを禁止し、許可されたもののみ使用できる制度
・ネガティブリスト制度は、原則規制がなく、使用してはいけないものを決めたリスト制度
参考:厚生労働省 食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度について
ポジティブリスト制度のポイント
■安全性と品質の保証
ポジティブリスト制度に基づき、リストに載った素材のみが使用されるため、これらの素材はすでに安全性が確認されており、
食品の品質と安全性が確保されます。消費者にとっては、安心して選べる基準となります。
■効率的な規制遵守
食品業界においては、使用できる素材が事前に明確に定義されているため、
業者にとっても規制順守が容易になり、製品の製造過程が効率化されます。
■品質管理の強化
ポジティブリスト制度の導入により、企業は製品の品質管理をより厳密に行い、
消費者に安全で高品質な製品を提供できるようになります。
食品業界では、品質管理がますます重要視される中で、
ポジティブリスト制度は安全性を保証するための不可欠なツールとなっています。
特に、包装材やシール、ケーキピックなどの食品に直接接触する製品においては、制度を順守することが求められます。
これにより、消費者に対してより高い安全基準を提供することができます。
シール・ケーキピック製造の際のポジティブリスト制度の対応
■シールやピックについてを作る際に留意する点
さて容器包装にあたるシールやピックについてを作る際に注意したい点を解説します。
食品に直接接触する可能性があるシールやケーキピックに関しては、ポジティブリスト制度を適用する必要があります。
ポジティブリストの対応となるかは、食品に接触する部分があるかないかというのがポイントです。
通常の使用の範囲において、食品に接触するおそれがないことを前提とし接触の恐れががない部分は
ポジティブリスト制度の対象外となります。
つまり、食品に直接貼り付けるシールや、食品に直接挿すピックはポジティブリスト制度の対象となるため、
対応素材を使用することが必要となります。
シール・ラベル
■ポイント
・二次包装の場合(容器に貼るなど)は、ポジティブリスト制度の対象外です。
・果物や鮮魚など食品に直接食品に貼る場合(直貼り)は、ポジティブリスト制度の対象となり、
適切な素材を選ぶ必要があります。
※インク部分には国内製造品でポジティブリスト対応品がないため、
ラミネート加工を施してインクの接触を防ぐことが必要です。
※果物の皮については、最終消費者様が食品として皮を食べるかどうか、というところが焦点となります。
■適応素材の例
ポジティブリストに収載の原材料で構成された粘着剤を使用した素材のラインナップがございます。
・ユポフィルム 強粘着
・金ツヤフィルム 強粘着
・白フィルム 強粘着
・透明フィルム 再剥離粘着
ケーキピック(ピック・札・プレート)
■ポイント
ケーキピック(ピック・札・プレート)など食品に直接触れるアイテムはポジティブリスト制度の対象となります。
これらの製品は、基材、ラミネート加工、粘着剤がすべてポジティブリストに適応した素材であることが求められます。
食品に直接全面が触れるため、シール・ラベルと異なり、
表面のラミネート加工だけでなく、粘着剤、基材もポジティブリスト対応製品の必要があります。
■適応素材の例
当工房では、ポジティブリストに収載の原材料で構成された素材を使用したピックの製造が可能です。
基材 :リードアイボリー(紙素材)
ラミネート加工 :OPPラミネート
まとめ
ポジティブリスト制度が導入されたことで、食品業界の安全性と品質がぐんとアップします!
消費者の皆さんにとっては、安心して食品を選べるようになり、企業にとっても規制の遵守や品質管理がスムーズに行えるようになります。
シールやケーキピックなど、食品に直接触れる製品については、ポジティブリストに載っている素材を使うことが求められ、
より高い基準で製品が提供をすることが必要となってきます。
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