シール印刷ラボ

小さな筒状の対象物に貼ったシールが剥がれてくる現象を解説

labo_main_case09
課題

直径20mmなどのボトルに貼るラベルが剥がれてくるといった現象がおきることがあります。大切なラベルが何もしていないのに自然に剥がれるこの現象。シールの構造を理解すると、何故、剥がれるのか、どうすれば剥がれなくなるのかが見えてきます。シールの粘着力は粘着剤の種類だけでは計ることはできません。対象物の形状・材質、シール自体の材質と粘着剤により発揮する粘着度合が異なります。今回はタイトルの例を対象に問題解決の糸口を探ります。

※記事内容は当工房の担当者が感じた主観的な意見です。他印刷会社とは意見に相違がある場合もあります。予めご承知ください。

2025年02月06日

シールの構造を知る

シールは大きく分けると三つのパーツで構成されています。一つ目はシールの表面素材、二つ目は粘着剤、三つめはセパレーター(台紙)です。
表面にラミネート加工を追加すると、四つ目のラミネートの表面基材と、五つ目のラミネートの粘着剤が加わり、五つの構成となります。
※今回の事例においては、セパレーター(台紙)は粘着力との関連性がありません。

まずご理解いただきたいことは表面素材とラミネートが固形物なので、形状記憶効果が作用します。表面素材の加工前は平らな状態なので、軽く巻いてみてもすぐに元の状態に戻ろうとします。ラベルを曲面に貼り付けると元に戻ろうとする反発力が作用する、『曲面反発力』により浮きや剥がれが発生する場合があります。

粘着剤がついたシール素材を対象物に貼った場合でも、形状記憶効果自体がなくなる訳ではないので、元の状態に戻ろうという機能は働いてしまい、浮きや剥がれが発生する場合があります。

 

解決方法 1)粘着剤の変更を考える

形状記憶効果によりシールが剥がれてくる現象を抑える為の最初の対策が粘着強度を上げる方法です。
粘着剤には普通粘着・強粘着・弱粘着・再剥離粘着などの種類があります。
普通粘着で対応して剥がれてくる場合は是非、粘着剤の変更(強粘着への変更)からご検討ください。
強粘着剤よりも強いトイシ(粗面)用の粘着剤もあります。

【粘着力を強くする】
弱← 普通粘着 < 強粘着 < トイシ(粗面)用 →強


解決方法 1)粘着剤の変更を考える

形状記憶効果によりシールが剥がれてくる現象を抑える為の最初の対策が粘着強度を上げる方法です。
粘着剤には普通粘着・強粘着・弱粘着・再剥離粘着などの種類があります。
普通粘着で対応して剥がれてくる場合は是非、粘着剤の変更(強粘着への変更)からご検討ください。
強粘着剤よりも強いトイシ(粗面)用の粘着剤もあります。

【粘着力を強くする】
弱← 普通粘着 < 強粘着 < トイシ(粗面)用 →強


解決方法 2)素材の厚みを考える

粘着剤は強粘着剤で対応しても、直径20mmほどの対象物になると形状記憶効果が粘着力を上回り、シールが剥がれてくることもあります。
そのような場合には表面素材自体を薄くすることを検討してください。
厚みのある素材ほど形状記憶効果が強く働き、薄い素材ほど弱くなります。
一般的に紙素材よりもフィルム素材の方が薄いので、材質自体の変更も考える必要性があります。


【表面素材を薄くする】
■表面素材を変更・・・アート73kg(強粘着)⇒ユポ80μ(強粘着)に変更
■表面加工を変更・・・PP20μ⇒PET16μに変更

 

解決方法 3)素材の変更を考える

近年では、曲面への貼付性に優れたラベル素材が開発されて、当工房でも多数ラインナップがございます。
曲⾯にしっかりと追従し、化粧品のボトルや、薬品ボトル、ボールペンなど細い被着体にも剥がれにくい設計になっているので、
粘着力の強度でも改善が難しい場合は、
素材を変更することをオススメします。


【素材の種類】
・透明フィルム 強粘着or再剥離糊(カイナスシリーズ・ポビック)
・白フィルム  強粘着or再剥離糊(カイナスシリーズ・ポビック)



まとめ

直径の小さな筒状の対象物には、強い粘着剤に対応した厚みの薄い素材に変更してみることで、
ラベルの貼りつきが安定する可能性が高くなります。

また素材自体を曲面貼り付けに特化した素材に変更することも改善方法の一つです。

被着体(貼り付けるモノ)との相性によるところが大きいため、製作前にテストをして確認することが必要です。

この記事についてのご質問やご相談は担当者までお問い合わせください。

この記事で解説したシールの用途・素材・加工方法

まずは今すぐ!お気軽にご相談 無料お見積